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配筋検査とは?検査の重要性や流れ・チェックポイントを解説

作成者: QUANDOブログ編集部|Jan 27, 2026 2:27:40 AM

配筋検査とは

配筋検査とは、鉄筋が設計通りに組まれているかを確認する重要な工程です。配筋検査で不具合を見逃すと、打設後に修正できず建物の強度不足を招きます。基礎や躯体(建物の土台)の安全性を守るため、まずは配筋検査の定義と重要性をおさらいします。

配筋検査の定義:鉄筋配置を確認する検査

配筋検査は、鉄筋の配置位置・使用本数・つなぎ方が図面の指示通りかを点検する工程です。構造物の安全性を守る目的で行う、コンクリート打設前の最終確認となります。

鉄筋とコンクリートは、それぞれ引張力と圧縮力を分担し、両者が正しく組み合わさることで建物に十分な強度が備わっています。

検査では、実際に組んだ鉄筋が構造図の指示通りかを項目ごとに確かめます。問題があれば該当箇所を是正し、合格した後にコンクリート打設へ進みます。

配筋検査の重要性:強度と耐久性を保証

鉄筋を誤って配すると建物の強度・耐久性が下がり、コンクリートの割れやジャンカ(空洞)が発生します。こうしたリスクを防ぐため、配筋検査を正確に実施しなければなりません。

 

建築基準法の改正により配筋検査がより重要に

2025年4月に施行された建築基準法の改正、いわゆる「4号特例の縮小」は、これまで多くの木造2階建て住宅では、構造に関する図面審査や検査が大幅に省略されてきました。しかし、改正後はこれらが「新2号建築物」に分類され、基礎工事を含む構造の適合性が厳しく問われることになります。

これまで「実質的に設計者(建築士)の自主管理」に任されていた部分が、公的機関や指定検査機関による「完了検査」や「中間検査」の対象として厳格に運用されるようになります。

項目 改正前の傾向
(4号建築物)
改正後の影響
(新2号建築物)
図面の提出 基礎伏図などの詳細図が省略可能 基礎配筋図・構造図の提出が義務化
審査の厳格化 構造に関する審査は原則なし
(特例)
図面通りの配筋がなされているか厳しくチェックされる
写真管理の重要性 自主的な記録が主 検査機関に提出する施工写真の不備が致命的になる
現場検査 指定工程(中間検査)での指摘が増加 鉄筋の継手、定着長さ、かぶり厚さ等の是正指導が厳格化

配筋検査そのものの技術的な基準が大きく変わるわけではありませんが、その「プロセス」と「重要度」には以下の3つの大きな変化が生じています。

  1. 「審査省略」の廃止と図面整合性の徹底
    これまでは省略されていた基礎の構造図(配筋図)の提出が義務化されます。これにより、現場の配筋検査では「図面通りに施工されているか」が1mm単位で厳格に照合されるようになります。鉄筋の径、間隔、かぶり厚さ、定着長さなど、以前なら「現場の裁量」で済まされていた微細な差異が、改正後は「不適合」と判断されるリスクが高まります。
  2. 「検査済証」発行への直結と法的リスク
    改正後は、配筋を含む構造部分の不備が、最終的な「完了検査」の不合格に直結します。検査済証が発行されなければ、建物の使用開始が認められないため、配筋検査の重要性が高まりました。
  3. 建物重量の増加に伴う「基礎設計」の高度化

また、省エネ基準の適合義務化により、住宅の断熱材や太陽光パネルの設置が標準となりました。これにより建物の総重量が増し、基礎にかかる負荷も増大しています。これまでの「慣例的な配筋」では強度不足と見なされるケースが増えるため、検査の場では、構造計算に基づいた精緻な配筋が正しくなされているか、より専門的かつ多角的な視点でのチェックが求められます。

 

配筋検査の流れ

配筋検査は、書類検査、現場立ち合い検査、検査記録確認・再検査の3段階で進みます。ここでは、各段階のポイントを解説します。

書類検査

書類検査とは、施工業者が用意した書類を検査担当者が確かめる工程です。一般的に工事監理者・検査担当者・施工業者が現場に集まり、提出書類の内容確認から始めます。

配筋検査の必要書類は、設計図・仕様書・施工要領書・施工図・アンカーボルト図・平面図・給排水設備図などです。また、構造仕様書・基礎伏図・基礎断面図・配置図・詳細図など、図面関係の書類も提出します。

現場立ち合い検査

検査担当者が現地へ行き、鉄筋の位置・径・定着長さを目視で点検します。基礎伏図・断面図・仕様書を持参し、現場の配筋と設計図を照らし合わせます。

具体的な確認項目は以下の通りです。

チェック項目 確認内容
かぶり厚さ コンクリート表面から鉄筋表面までの距離を計測
防湿シート 全面敷設、破損なし、浮き・たるみなし
鉄筋の本数・間隔 必要本数が正しい間隔で配置されているか
鉄筋の太さ 指定径(D10またはD13)通りか
アンカーボルト・ホールダウン金物 設計図の位置に合致しているか

 

検査時には、工事監理者・検査担当者・施工業者が立ち会い、確認箇所を一つずつ点検します。測定値は検査記録用紙に記入し、設計値との差異があれば即座に施工業者へ伝えます。

検査記録確認・再検査

鉄筋が設計図の指示通りに施工されているかを記録します。記録は写真と書面で残し、コンクリートで覆われる前の状態を保存します。

写真を撮る際は、黒板へ工事名・施工場所・撮影日時を記入して画面に入れます。スケールも一緒に写して、寸法の根拠を確認できるようにしましょう。

不備が見つかった場合は、該当箇所を点検して是正します。改善後は改めて配筋検査を実施し、全項目が基準を満たしていることを確認します。

配筋検査のチェック項目

配筋は完成後に目で確かめられません。建物の安全性と耐久性を保つため、以下の項目を確認します。

チェック項目 確認内容
鉄筋の配置 設計図通りに配置されているか
鉄筋の種類 設計図のものを使っているか
かぶり厚さ 設計図の数値通りであるか
鉄筋の波うち 鉄筋が曲がっていないか
鉄筋の定着長さ 必要な長さがあるか
防水・防湿シート 隙間や破れがないか
ホールダウン金物 適切な状態であるか
アンカーボルトの状態 適切な状態であるか

鉄筋の配置:設計図通りに配置されているか

鉄筋が設計図書通りの位置に配置されているか、ずれや曲がりがないか、型枠との間隔が均一かを確かめます。

配筋図の「@100」「@200」といった記号は鉄筋の配置間隔を示す数値です。「@」はピッチ、数字はミリメートル単位で鉄筋の中心から次の鉄筋の中心までの距離を表します。

また、間隔が広すぎるとコンクリートが荷重を支えきれず、狭すぎるとコンクリートが鉄筋の間に十分に充填されません。それについても重点的にチェックしてください。

鉄筋の種類:設計図のものを使っているか

設計指定の鉄筋径を使っているか、必要本数を確保しているかを確かめます。通常、住宅基礎では10mmか13mm径のものを使います。

鉄筋の種類 用途 配筋間隔
直径13mm
(D13)
主筋・立上り部分の縦筋 150mm〜300mm程度
直径10mm
(D10)
配力筋・あばら筋・補助鉄筋 200mm〜500mm程度

 

かぶり厚さ:設計図の数値通りであるか

かぶり厚さとは、コンクリートが鉄筋を覆う層の厚さを表す値です。法令で定められた最低基準は、立ち上がり部分が40mm以上、底面が60mm以上となります。

かぶり厚さが不足すると、外部からの水分・塩分が鉄筋に到達しやすくなり、錆による劣化が進みます。この基準は鉄筋の保護と建物の長寿命化に直結するため覚えておきましょう。

鉄筋の波うち:鉄筋が曲がっていないか

波うちは、鉄筋が上下方向に曲がりくねった状態を指します。鉄筋が浮いたりたわんでいたりしないか、均一な高さで水平に配置されているかを確かめます。

また、鉄筋が垂直・水平を保っているかを目視と水平器で点検します。

鉄筋の定着長さ:必要な長さがあるか

コンクリート内で鉄筋を固定する埋設長を定着長さと呼び、基準を下回ると引き抜けが起こります。

定着長さは図面上で「40d」「50d」といった表記になります。「d」は鉄筋の直径を指す記号で、「40d」であれば「鉄筋の直径を40倍した長さ」という意味です。

防水・防湿シート:隙間や破れがないか

防水・防湿シートは基礎底盤下に敷き、土壌からの湿度上昇を防ぐ部材です。

検査では、シートに破れや隙間がないか、重ね合わせ部分を十分に取っているか、施工中にずれていないかを確かめます。

ホールダウン金物:適切な状態であるか

ホールダウン金物は基礎・土台・柱を連結する部材です。地震などによる揺れで柱が基礎から引っ張られる力を受け止めます。

検査では、所定の位置・高さに設置されているか、ナットやボルトが緩んでいないか、錆や変形がないかを確かめます。

アンカーボルトの状態:適切な状態であるか

アンカーボルトは土台と基礎を結ぶ金物で、地震発生時に建物が基礎から離れないよう固定します。検査では、設計図通りの位置に埋め込まれているか、垂直に立っているかを確かめます。

項目 基準値
ボルト直径 M12以上
設置間隔 2.7m以下
埋め込み深さ(通常) 250mm以上
埋め込み深さ(ホールダウン用) 360mm以上

※M12のMとはメートルねじ規格(JIS規格)で数字はボルトの太さ(直径mm)を指します。

 

配筋検査で起こりやすい不具合

配筋検査で特に注意すべき不具合は以下の通りです。

 

これらを見逃すと、建物の安全性が損なわれ、強度不足や耐久性の低下につながります。

かぶり厚さ不足

かぶり厚さが不足すると、鉄筋を覆うコンクリートの層が薄くなり、湿気や空気が鉄筋まで届きやすくなります。結果、鉄筋の表面で酸化が進み、さびが発生しやすくなります。

不具合の種類 発生する問題
鉄筋の腐食リスク増加 湿気や空気で鉄筋がさびやすくなる
耐久性の低下 長期使用で構造劣化が早まる
耐火性能の低下 火災時に鉄筋が早く高温にさらされる

 

定着長さ・継ぎ手長さ不足

定着長さとは、鉄筋がコンクリートの中で固定されるのに必要な長さです。一方の継ぎ手長さは、鉄筋をつなぎ合わせるときに重ね合わせる長さを指します。

定着長さが設計基準を下回ると、鉄筋とコンクリートの付着性能が低下します。その結果、荷重がかかったときの引張強度が大きく損なわれ、継ぎ手部で破断するリスクが高まるのです。

アンカーボルト不足・未施工

アンカーボルトは、基礎コンクリートと土台を固定する金属製ボルトです。これが不足・未施工の場合、地震の横揺れにより建物だけが動こうとして基礎とのずれが生じます。

また、コンクリート打設後の修正は困難です。後から取り付けると施工条件によっては、引き抜き強度に影響が出る可能性があります。打設前の段階で、図面通りの位置・本数・埋め込み深さを漏れなく確認しましょう。

 

配筋検査のポイント

配筋検査を効率よく進めるには、以下のような事前準備と手順の明確化が欠かせません。

ここでは、配筋検査を成功させるためのポイントをご紹介します。

設計図・仕様書の正確な把握

検査を始める前に、設計図から鉄筋の配置位置、直径、配置間隔、定着長さを確認しましょう。これにより、「何を・どこで・どの順に」見るかが明確になり、短時間で正確に配筋検査を行えます。

主なチェック項目は、以下の通りです。

・鉄筋の種類と直径(D10・D13など)
・配筋ピッチ(@100・@200など)
・定着長さと継ぎ手長さの寸法
・かぶり厚さの基準値
・ホールダウン金物の設置位置と種類
・アンカーボルトの配置間隔と埋め込み深さ

※D10,D13のDは異形鉄筋 (Deformed bar)で、数字は鉄筋の太さ(直径mm)を指します。
※@100,@200は鉄筋と鉄筋の中心間隔(mm)を指します。

事前準備の徹底

スケールまたはメジャー、ノギス、かぶり厚さ測定器など、配筋検査に必要な道具をそろえます。そのうえで、配筋検査のチェックリストに以下の項目を盛り込みます。

検査項目 チェック内容
鉄筋の配置 図面記載の位置・本数・間隔
かぶり厚さ 立ち上がり40mm以上、底面60mm以上など
鉄筋の波打ち 水平・垂直からのずれ
鉄筋定着の長さ 設計基準との照合
鉄筋径 指定された直径との一致
防湿シート 設置の有無と状態
ホールダウン金物 設置場所とナットの締め付け
アンカーボルト 配置間隔2.7m以下、本数

 

このチェックにより、確認漏れを防ぎ、現場での検査を正確かつスムーズに進められます。

写真で記録を残す

配筋検査で点検した箇所は、コンクリート打設によって覆われ、以降は確認できなくなります。施工後のトラブルに備え、工事写真を撮影・保管しておきましょう。

撮影のポイントは、配筋完了時に全体像を広角で撮影することです。その後、鉄筋の結束部分や交差部分、かぶり厚さが重要な箇所を接写で記録します。

 

 

「SynQ Remote」を活用して配筋検査をもっとスムーズに!

配筋検査は、建物の安全性を確保するために欠かせない工程です。鉄筋の配置、かぶり厚さ、定着長さ、アンカーボルトなど、多岐にわたる項目をコンクリート打設前に確認しなければなりません。

しかし、複数の現場を抱える施工管理者にとって、すべての現場に足を運ぶことは時間的・物理的に大きな負担となるでしょう。

そこで役立つのが、遠隔臨場に特化した「SynQ Remote(シンクリモート)」です。本ツールを導入すれば、オフィスにいながら現場の配筋状況をリアルタイムで確認できます。写真の共有もその場で行えるため、時間とコストを削減できます。

とりわけ便利なのが、ポインター機能です。「この部分のかぶり厚さを測定してください」といった指示を、画面上で直接示せます。こうした機能を使い分けることで、検査効率が格段に向上します。

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