京都市内の新築ホテル現場で、壁内スリーブや埋設配管の位置など若手技術者から電話にて確認連絡があった際、状況を正確に把握できないことが多くありました。そのため、確認連絡が入る度に、現場代理人が現場事務所と施工現場を往復していました。
片道15分が1日平均4回――月に約40時間、工期20か月では約800時間が「確認のための移動」に消えていたのです。
電話では「壁のどの高さ・左右か」が曖昧で誤施工リスクが高まるので、些細なことであっても、上司や先輩社員が施工現場に出向く必要が生じていました。
現場側はスマホ/タブレット、事務所側は PC を使用し、ライブ映像に双方向ポインタと手書きメモを重ねて「ここ!(正確な施工箇所)」を即指示できるようになりました。
2025年1月ごろに試験導入をしたのですが、2ヶ月ほどで不要な往復はほぼゼロになり、月40時間の移動が解消しています。現場の工期を20ヶ月程度と想定した場合、800時間の移動時間が削減できる見込みとなっています。
若手技術者は質問がしやすくなったことや、 “即レス” が得られる安心感から自信を持って作業でき、再手直しも減っています。
資料作成用に撮影画像をそのまま流用できるため書類作成時間も短縮しています。
はい、今までにもカメラで現場の状況を映しながら会話ができるっていうソフトというか機器があって、それも使用したこともあるんですけど、やっぱり一番いいなと思ったのは手書きの操作であったりとか、矢印が出て具体的に操作ができるっていうところです。
直感的UI:新人でも1週間で操作習得、過去のウェアラブル機器と比較しても定着率が高いように感じた。
その他にも
通信最適化機能:「画質優先モード」でデータ量を1/10に抑え、地下や山間部でも安定。これらの汎用性により使いやすさが上がっている。
まず通信が不安定な山間部・地下でのさらなる安定化が欲しいですね。
社内普及についてはマニュアルを渡すだけでは難しいと思うので、しっかりとまずは使ってみてねということを周知していこうと思います。
みなさまインタビューありがとうございました。
移動ゼロ・即判断を実現した同社の取り組みは、同業の生産性向上に直結する具体的なヒントとなると思います。