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製造業の課題を遠隔支援で解決する

工場の様子

世界第3位のGDP(国内総生産)に位置する日本の業種別GDP構成比で20%超を占める日本の製造業は、日本が「ものづくり大国」と世界から言われるほど規模・技術力を有し、日本経済を牽引してきた代表的な業種です。しかしながら、先行きは非常に不透明で不安定かつ新型コロナウイルスの影響、働き方改革、人手不足等様々な課題が山積している状態にあり危機を迎えているといっても過言ではありません。このような状況下において、課題をいくつか同時に解決する可能性が非常に高い「製造業における遠隔支援」について事例を用いて今回ご紹介したいと思います。

日本の製造業の課題

 

不確実性の高い外部環境

近年、異常気象の影響で発生している大雨、洪水、台風及び地震等の自然災害や2020年に発生し未だに猛威を奮っている新型コロナウイルス感染症の感染拡大などの影響から需要減・受注減が引き起こされるとともに、それらに端を発して、調達、物流などのサプライチェーンにも支障をきたし、供給面にも影響しています。さらには、米中貿易摩擦の先行き不安など地政学的な問題、サイバーリスクなど様々な事象が絡んでいます。今後も世界的な「不確実性」の高まりが想定される中、サプライチェーン全体を俯瞰し、調達先の分散など、柔軟かつ機敏な対応やその強化を求められます。

 


人材不足(特に技能人材の不足)

少子高齢化による労働人口が近年減少し続けている日本において、各業界での人材確保は質、量ともに重大な課題になっていますが、とりわけ製造業では、国内の製造業就業者数については、2002年の1,202万人から2020年には1,045万人と、約20年間で157万人減少し、全産業に占める製造業就業者の割合も減少傾向。また、若年就業者数も、2002年の384万人から2020年の259万人へと、約20年間で3割以上(125万人)減少。そのような状況下で特に専門知識や技術を持った技能人材の不足が顕著(人手不足の事業展開への影響がある人材の中で特に確保が課題となっている人材の構成比トップが技能人材で55%となっています)、加えて経営者の高齢化、後継者不足、技術継承に悩まされています。

 

デジタル化への対応

デジタル化により組織や働き方を変革することで、バリューチェーンの各項目の品質を高め、付加価値の高い製品を創出し、中長期的に持続可能な成長を目指していく必要性があるものの、日本のデジタル成熟度は、ドイツ、米国およびヨーロッパの主要国(フランス、イタリア、英国、スペイン)などと比較して相対的に低い水準となっています。デジタル成熟度の低さは、導入している設備・システムの老朽化やデジタル化を進めるコストの確保が難しいこと、さらにはデジタル化によって実現できる生産性の向上といった効果が理解できていないこと、デジタル化を進める目的が明確になっていないことなどが理由として挙げられ、また、デジタル化を進めても使いこなせる技術者がいなことが背景としてあります。


出所:FUTURE STRIDE「日本の製造業が抱える課題とDX推進」日本政策投資銀行「スマートファクトリー実現の鍵となる「担い手」の創出」経済産業省「ものづくり白書」アクセンチュア「製造業オペレーションDXの現在地」

 

課題解決の一手である「製造業における遠隔支援」

働き方改革の一手として推奨されてきたリモートワークですが、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、オフィスワーカーを中心に加速していきました。一方、現場のある製造業においては、「三現主義」(三現主義とは、「現場」「現物」「現実」の3つの「現」を大切にする考え方のことをいう。「現場」に足を運び、「現物」を直接手に取り、「現実」を見て確認した上で、問題解決を図ることが重要という考え方)が他の業種よりも強く存在しており、リモートワークが導入されていないもしくは定着していない状況で新型コロナウイルス感染症の拡大により工場の休止や閉鎖を余儀なくされる、工場の人員が不足し納期に間に合わない、海外視察に行くことができず監査やメンテナンスができない、このような企業が続出しています。

オフィスワーカーのようにデスクに座り、お互いの顔をみながら会議を行うことがリモートワークと思われがちですが、それだけに留まらず、製造業にも活用できると考えています。ここでは、リモートワーク=オフィスワーカーとし、製造業=遠隔支援という言葉で述べさせていただきます。先ほど述べた足許の課題解決から「人材不足(特に技能人材の不足)」「デジタル化への対応」のような製造業全体の課題解決の糸口にも繋がっています。事例を用いて紹介していきたいと思います。

 

事例1  品質管理や出荷前検査での利用


これまで、品質管理(完成品の品質担保だけでなくプロセスの信頼性担保も示します)や出荷前検査において工場のある現場に出向いて立ち会うもしくは各工場から写真を送ってもらい判断していたかと思います。しかしながら、遠隔地にある工場だと移動に時間がかかる、交通費もかかる。写真で送付してもらう場合、業務プロセスが確認できないなどいくつか課題がありました。そのような課題を遠隔支援であればリアルタイムに確認ができることから、移動する必要性がなく、プロセスの確認にも利用できますし、確認頻度もあがることから品質管理の質の向上にもつながります

 

事例2  アフターサービス・アフターフォロー(納入後トラブル等)での活用


製品を納品した後の問い合わせやトラブルへの対応についても、これまで納品先から出張費を徴収し現地に出向き対応もしくは写真や動画を撮ってもらいメールでやり取りすることで対応していたものを遠隔支援メーカーと納品先が遠隔地であってもリアルタイムにその状況を把握し、サービスやフォローを即座にできることが期待できます。

 

事例3  海外工場の視察、立ち上げ、監査


コロナ禍において「人の移動」の制限があり、海外工場の視察、立ち上げ、監査も遠隔で行う必要性が出てきました。実際にOKIデータでは、海外工場(タイ)と日本を映像と音声でリアルタイムに接続し、新規設計の戦略商品の量産を、全てリモートで立ち上げたそうだ。それに加えて、完全にリモートで行えたために、出張費や人件費などの削減にもつながり、約3億円のビジネス効果も生み出すことができたそうです。
出所:技術者が行けない!タイでの新製品量産を遠隔立ち上げしたOKIデータの挑戦

 

また、これらのデジタル化については、政府もアナログ規制を撤廃・緩和していくことで実現しようとしています。建設業やインフラだけでなく、特定計量器や設備点検にも関わる一連の規制撤廃については製造業・メンテナンス業においても注目すべきものと言えるでしょう。
アナログ規制緩和は建設業・建築業にどのような影響を与えるのか?

 


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製造業などの現場仕事における遠隔支援を実現するビジュアルコミュニケーションツールがSynQ Remote(シンクリモート)です。現場仕事に特化しており、主に3つの特徴があります。

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簡単に行けない遠方でもその場にながらチェック

SynQ Remoteでは、遠方にある現場の映像を複数人でリアルタイムに見ながら会話をすることができます。さらに、ポインタやリアルタイムチャットで視覚的に指示・確認をとることができ、現地に行かなくても、まるで隣にいるかのようなコミュニケーションを実現することができます。


パソコンや携帯にアプリをインストールするだけで利用スタート

SynQ Remoteは、現在お使いのパソコンやタブレット、スマートフォンにアプリをインストールしていただくだけでご利用開始いただけます。
遠隔での会話を実現するために、専用のカメラやスマートグラスなどを導入する必要はありません。専用設備の管理や充電の必要がなく、いつでも使いたいときにまるで電話と同じような操作感でお使いいただけます。


写真や動画をクラウドに保存し、活用

SynQRemoteを通じて、写真や動画を遠隔から撮影し、クラウドに保存することができます。保存した写真や動画は、報告書や議事録にも活用することができます。

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