建築確認申請の流れは?必要書類や注意点も解説!
建築確認申請の進め方について、「どこに申請すればいい?」「何を提出すればいい?」「工事着工までどれくらいかかる?」といった疑問を抱えたまま、計画が進められずにいる経営者も多いのではないでしょうか。
本記事では、建築確認申請の流れや2025年4月の法改正による影響、必要書類、申請手数料、注意点などを詳しく解説します。
建築確認申請とは【建築物を建設する際に必須の申請】
建築確認申請とは、建築物を建てる際の「工事着手前に行う手続き」です。建築基準法第6条で定められており、その計画が建築基準法や関連する条例に適合しているかを審査します。審査は自治体または指定確認検査機関が行い、確認済証の交付を受けてから工事に着手できます。
建築確認をせずに建物を建設すると、建築基準法第99条第1号の規定により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。是正命令に従わなかったときは、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が課されます。
建築基準法の改正による建築確認申請への影響
2025年4月1日から、建築基準法および建築物省エネ法の改正が施行されました。すべての新築物件に省エネ基準への適合が求められるようになり、確認申請の審査工程でこの基準を満たしているかどうかのチェックが行われるようになりました。

引用:国土交通省「建築基準法・建築物省エネ法 改正制度説明資料」
また、「4号特例」の対象範囲が大幅に縮小されました。以下、改正前と後の違いです。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 省エネ基準適合 | 届出義務または説明義務 | すべての新築で義務化 |
| 審査項目 | 一部審査省略 (4号特例) |
全項目審査が必要 (新2号建築物) |
| 審査期間 | 約7日程度が目安 (旧4号建築物) ※実際の期間は案件により異なります |
最長35日 (新2号建築物) |

引用:国土交通省「4号特例が変わります」
法改正により、一般的な2階建て木造住宅の大部分が「新2号建築物」に該当し、構造関係図書の提出が義務化されました。さらに省エネ適合性判定も加わるため、審査期間が改正前に比べて大幅に延びています。
建築確認申請が必要となるのは、新築、増築、改築、移転を行うときです。都市計画区域内では、原則としてすべての建築物が建築確認申請の対象となります。
リフォームについても注意が必要です。大規模な修繕・模様替えを行う場合は、建築確認申請が必要となります。
たとえば、建物全体の外壁を張り替える、柱の半分以上を交換するといった工事では、建築確認申請が必要です。一方、内装の壁紙張り替えやキッチン設備の交換など、主要構造部に影響しない小規模なリフォームは申請不要となります。

建築確認申請が不要なケース
次の4つのケースでは、建築確認申請が不要です。
建築基準法で定義される「建築物」に該当しない場合
建築基準法第2条第1号で、建築物は「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」と定義されています。この定義に該当しない構造物は、そもそも建築確認申請の対象外となります。
文化財保護法により指定された建築物
国宝や重要文化財に指定されている建物は、別の法律で保護されているため対象外となります。
都市計画区域外の4号建築物
都市計画区域外の小規模な建築物(旧4号建築物)は、従来は申請不要でした。ただし、2025年4月1日の法改正により、階数2以上または延べ面積200㎡超の建築物(新2号建築物)は、都市計画区域内外を問わず建築確認申請が必要となりました。
申請不要となるのは、都市計画区域外の新3号建築物(平屋かつ延べ面積200㎡以下)のみとなります。
防火地域・準防火地域以外での床面積10㎡以内の増改築
小規模な増築や改築であれば、申請せずに工事できます。ただし、増改築後の床面積の合計が基準を超えるときは申請が必要です。
建築確認申請に必要な書類
建築確認申請には、建築基準法施行規則や業務規定等により定められた書類が必要となります。主な書類は次の通りです。
| 建築確認申請書類 |
|---|
| 建築確認申請書 |
| 委任状(代理者による申請の場合) |
| 建築計画概要書 |
| 構造計算によって安全性を確かめた旨の証明書 |
| 施行規則により必要とされる添付図書(配置図・各階平面図・立面図・断面図・構造計算書等) |
| 認定書等の写し |
| 建築基準法第15条第1項の規定による建築工事届 |
| その他(特定行政庁の許可通知書、認定通知書等) |
| 道路・敷地関係調査書(東京都内のみ) |
| 建築協定等手続き状況届出書(横浜市のみ) |
| 建築確認申請事前調査票(埼玉県のみ) |
| 建築基準関係規定(18法令)チェックシート |
設計図書には配置図、各階平面図、立面図、断面図などの図面が含まれ、建築物の構造や規模によっては構造計算書なども必要となります。これらの図面は、建築物の具体的な形状や寸法を示し、避難経路や防火設備の位置なども表示する役割があります。
2025年4月以降の確認申請では、建築物の規模と用途によって必要な構造関係図書が異なります。新2号建築物(木造2階建住宅や延べ面積200㎡を超える木造平屋建住宅)に該当するときは、構造計算書または壁量計算書等の提出が必須です。一方、新3号建築物(延べ面積200㎡以下の木造平屋建住宅)では、従来と同様の扱いとなります。
さらに2025年4月改正後は、省エネ性能確保計画、外皮性能計算書、一次エネルギー消費量計算書などの省エネ関連図書が追加で必要となりました。これらの書類は、建物が省エネ基準を満たしていることを証明するために用います。
建築確認申請の流れ

建築確認申請は、事前準備から完了検査まで6つのステップで進みます。各ステップの概要は次の通りです。
- ①事前準備:建築確認申請書や図面などの必要書類を準備する
- ②建築確認申請:書類一式を自治体または指定確認検査機関に提出する
- ③審査:提出した書類をもとに建築基準法や条例への適合性を審査される
- ④建築確認済証の交付:審査完了後に確認済証が交付される
- ⑤工事着工・中間検査:確認済証交付後に工事を開始する
- ⑥工事完了・完了検査:工事完了後4日以内に申請して検査済証の交付を受ける
①事前準備
まずは建築確認申請書、配置図、各階平面図、立面図、断面図といった図面、構造計算書などの必要書類を準備します。書類準備や手続きは、設計会社や施工会社、ハウスメーカーに任せることも可能です。専門知識が求められる書類も多いため、プロに頼めばスムーズに進められます。
②建築確認申請
書類が揃ったら、自治体か指定確認検査機関に提出します。提出方法は、窓口での直接提出または電子申請のどちらかを選べます。提出時に申請手数料を支払うため、事前に金額を確認しておきましょう。
書類に不備があると審査が止まり、差し戻しで数週間のロスが生じます。提出前に法定図書がすべて揃っているか、省エネ関連図書に漏れがないか、構造計算書の提出が必要か確認しておきましょう。
③審査
書類一式を提出すると、建築基準法や条例に違反していないかがチェックされます。具体的には、構造の安全性、防火性能、避難経路の確保、採光や換気の基準、省エネ基準への適合など、多岐にわたる項目を審査します。
審査中に不備や不明点が見つかると、追加説明書や訂正資料の提出を求められます。この指摘対応に1〜2週間かかるケースも珍しくありません。指摘事項には速やかに対応し、必要な書類を再提出してください。
④建築確認済証の交付
審査完了後、建築確認済証が交付されます。この書類により、計画段階で法令や条例の要件を満たしていることが証明されます。確認済証がなければ工事に着手できません。
確認済証は、住宅ローンの本審査時に金融機関へ提出したり、将来売却時に建物の信頼性を証明したりする重要書類です。大切に保管しておきましょう
なお、審査で不適合と判断されるケースは、次のような場合です。
- 建蔽率や容積率が敷地に対して超過している
- 斜線制限(道路斜線など)に違反している
- 構造計算に誤りがあり、建物の強度が基準を満たしていない
- 防火設備や避難経路が不足している
- 省エネ基準を満たしていない(2025年改正後)
- 図面間で寸法や仕様の食い違いがある
- 必要な法定図書が不足している
これらの指摘を受けると、設計を見直して書類を再提出する必要があり、審査期間がさらに延びてしまいます。
⑤工事着工・中間検査
確認済証が手元に届いたら、ようやく工事を開始できます。工事が始まった後、建設中の建物の種類や工事内容によっては、工事完了前の「中間検査」が必要となるケースがあります。
中間検査が必要となるのは、次の2つのケースです。
- 全国一律で中間検査が必要な建築物
- 自治体が個別に指定する建築物
3階以上の共同住宅は建築基準法第7条の3第1項第1号により、中間検査の実施が義務付けられます。
それ以外の建築物は、各自治体(特定行政庁)が用途・規模・構造を見て、中間検査が必要かどうかを指定します。たとえば、東京都では50㎡超の住宅、神奈川県では2階以上の木造一戸建てといったように、自治体によって基準が異なります。自分の建物が該当するかどうかは、着工前に管轄の自治体に確認しておきましょう。
⑥工事完了・完了検査
工事完了後、4日以内に完了検査を申請します。この期限を過ぎると建築基準法違反となるため注意してください。申請後、自治体または指定確認検査機関の検査員が現地を訪れ、完成した建物が建築基準法や条例に違反していないか検査します。
具体的には、図面通りに建てられているか、避難経路が確保されているか、防火設備が正しく設置されているかなどです。検査に合格すると検査済証が交付され、工事が完了となります。
検査済証は将来の売却やリフォームの際に必要となるため、大切に保管しておきましょう。完了検査の申請手続きも、施工会社やハウスメーカーに任せられることが多くあります。

工事着工までかかる期間【最長70日】
国土交通省の「建築確認審査に係る法定期間に関する基礎データ」によると、建築確認済証の交付にかかる期間は次の通りです。
- 標準的な建築物:申請から最長35日以内
- 省エネ適判が必要な建築物:申請から最長70日以内(審査35日+省エネ適判35日)
ただし、この期間はあくまで法定の最長期間です。実際には、書類の修正や追加説明のやり取りが発生するケースが多く、予定より長い日数がかかります。
国土交通省「建築確認審査に係る法定期間について」
申請手数料【床面積の広さごとに異なる】
申請手数料は、建物の床面積を基準に金額が決まります。床面積が広いほど審査の手間が増えるため、手数料も高くなる仕組みです。
金額は自治体や検査機関ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。
たとえば、東京都の申請手数料は次の通りです。
| 床面積の合計 | 建築確認申請手数料 | 完了検査手数料 |
|---|---|---|
| 30㎡以内 | 6,900円 | 15,000円 |
| 30㎡超〜100㎡以内 | 13,000円 | 17,000円 |
| 100㎡超〜200㎡以内 | 21,000円 | 25,000円 |
| 200㎡超〜500㎡以内 | 25,000円 | 31,000円 |
申請手数料のほかに、次のような費用も発生します。
- 書類作成費用:建物の規模と複雑さによって大きく異なる
- 設計監理料:一般的に工事費の5〜15%程度が相場
- 構造エンジニア費用:5万円〜20万円程度が必要
これらの費用は案件によって変動するため、設計者に見積もりを依頼してください。

建築確認申請の際のポイント・注意点
建築確認申請をスムーズに進めるためには、いくつかの重要なポイントがあります。一つずつ見ていきましょう。
建築確認申請後の変更は再申請が必要
申請を済ませた後は、提出済みの計画内容に沿って工事を進めなければなりません。設計や間取りを勝手に変更すると法律違反となり、是正命令の対象となる恐れがあります。
どうしても変更したいときは「計画変更の申請」を行います。この申請では、変更内容が建築基準法に適合しているか改めて確認することになるため、確認が完了するまでは工事ができません。審査には数週間かかるため、工期が大幅に遅れる可能性があります。
ただし例外として、建築基準法において「軽微な変更」として定められるものであれば、後ほど変更届を出すことで対応できるケースもあります。
建築確認済証や検査済証の再発行は不可能
一度発行された建築確認済証や検査済証は再発行されないため、交付されたら大切に保管しておきましょう。
万が一紛失したときは、自治体に相談し、台帳記載事項証明書や建築計画概要書の写しなどの代替書類を入手できます。ただし、これらの書類でも確認済証や検査済証の内容を証明できますが、原本があるほうが手続きはスムーズです。
余裕を持って申請準備を行う
確認申請は審査期間だけでなく、設計や書類準備、事前協議、修正対応などで多くの時間がかかります。工事開始日から逆算して、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
審査期間を考慮せずに計画を立てると、次のような問題が発生します。
- 繁忙期に申請が集中して審査期間が予定より長引く
- 書類の不備で差し戻しになり数週間のロスが生じる
- 工事着工が遅れて工期全体がずれ込む
- 追加費用が発生する
これらのリスクを避けるには、工事開始日から逆算して、最低でも3〜4ヶ月前から準備を始めることをおすすめします。
なお、申請準備期間を確保するには、他の業務を効率化することも重要です。現場特化の遠隔支援ツール「SynQ Remote(シンクリモート)」を活用すれば、現場に出向かなくても、タブレットやスマートフォンで現場の写真や動画を確認できます。複数の現場を同時に管理しながら、申請準備をスムーズに進められるでしょう。
「SynQ Remote(シンクリモート)」導入で確認申請をスムーズに進めよう!
建築確認申請では、書類準備や審査対応、複数現場の管理を並行して行います。現場確認のために何度も現地に足を運ぶ必要があり、申請業務の負担が増えがちです。また、書類の不備や記録漏れが起きると、審査が遅れ、工事着工の遅延や追加費用の発生につながります。
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